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Channel: 辰姫 ~石田三成の娘の生涯と軌跡~
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他界後400年という時を経て公になってきた辰姫の存在

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 歴史モノの創作品は現在、小説やアニメ、ゲームなど様々存在します。
 これら創作品が歴史に関心を持つきっかけとなった人々は無数におられれると思います。

 創作品はフィクションであり史実ではありません。
 ですが、歴史上人物の名と生きた時代を初めて知る上ではよいキッカケにもなるでしょう。
 多くの、数多くの有名歴史上人物が創作品となっている現代。


 辰姫が登場する創作品は本当に少ないものです。
 ですが少ないながらも、かろうじていくつか存在しています。

 小説:「風花の城」「津軽双花」「石田三成十五なる条々」
 映画:「関ケ原」(←2017年7月から上映のもの)

 現在、辰姫が登場する小説と映画、つまり”創作品”は上記になります(ゲーム・アニメは省きました)。


 小説では、辰姫は満天姫との昼ドラのような”女同士の泥沼の戦い”といった描かれ方をされる傾向が強く、他の描かれ方では、まだ殆ど世に知られていない”実は秀吉の正室の”おね”の養女だった事”と”津軽家の奥方だった事”が強調される描かれ方になっています。

 辰姫研究記事の中で述べていますが、辰姫は家の動向や政治系の問題に口を挟んだり策謀を巡らせたり、ましてや満天姫との”現代風の女の戦い”等といった事をした事実は全くなく、また、そのような人物では決してなかった事が浮かび上がっています。


 そんな辰姫がフィクションながらも”初めて映像(実写版)として登場する創作品”が、2017年の7月から上映となった映画「関ケ原」です。

 この映画「関ケ原」の中で、辰姫がたった数分ですが登場しています。
 秀吉の正室である”おね”のもとに小早川金吾(小早川秀秋)が訪れ、その金吾とおねに茶を運んできて挨拶をする養女時代の少女の辰姫が描かれています。
 おねは金吾に対し三成の実の娘であり養女としている事を教え、「三成の血統は残しておかねばならぬ」と言い、辰姫は「辰にごさいます」とひれ伏すシーンで描かれています。

 全て辰姫研究記事の中で述べていますが、養女時代の辰姫はその素性をあからさまにする事は出来ず(自殺行為に等しい)、おねが辰姫を養女にしたのは石田三成の血統を残す為ではなく、豊臣政権維持と自身の立場保守の為に石田三成を頼る手段に用いた政治政略です。

 まして、辰姫の本名は”辰子”であり”辰”ではありません。


 もっとも、創作品は史実を知るものではなくあくまで”娯楽品”です。
 なので、史実ではないと割り切れば、そういった名の人物が存在ていた事だけは知る事が出来、まして、辰姫のようなまだ世間で殆ど知られていない人物にとってはメリットがあると言えるかもしれません。


 くどいようですが、小説や映画での描かれ方は史実ではありません。フィクションです。
 史実を基にした創作品です。


 創作品ながら、他界後400年という時を経た現代、やっとその名が公に出てきた。
 その歴史上人物の一人が”辰姫”です。

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