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Channel: 辰姫 ~石田三成の娘の生涯と軌跡~
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御仏の大きさ、あと人間の”おごり”について

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 今回は仏教のエッセイです。


 今までの仏教エッセイの記事やオマケ(管理人の日常)記事の中で、私が日課で祖父の形見の観音像(と先祖の仏壇と辰姫)に読経を捧げている事は度々述べていますが、その観音像、すなわち観音様には師匠が存在します。

 観音様の師匠とは・・・阿弥陀如来です。
 そう、「南無阿弥陀仏(意味:阿弥陀様に帰依します)」の念仏で有名な阿弥陀如来です。

 観音様の師匠が阿弥陀様である事は様々なお経の中で観世音菩薩が「我が師阿弥陀如来を念じ・・・」などと語る場面が見受けられます。

 その阿弥陀如来の大きさ、仏の大きさってどのくらいの大きさなのかご存知の方は少ないと思います。
 仏教で語られる阿弥陀如来の大きさは・・・”六十万憶那由他恒河沙由旬”です。

 ・・・。
 聞いた事も無い長い長い単位ですね。
 那由他とは、一千億。
 恒河沙とは、ガンジス河の砂の数ほど多いという意味。
 由旬とは四里という意味です。

 ・・・もはや人間の想像の及ばない大きさですね。
 この阿弥陀如来の大きさを人間の身長と例えたら、人間は微生物や細菌はおろか、ウイルスの大きさ、ミクロより小さい存在になってしまいますね(汗)。

 その、想像を超えた大きさの阿弥陀如来やそれと同等の大きさの菩薩達が暮らす世界といったら・・・その広さ大きさは想像が及びません。

 私はこの仏の大きさが人間の想像の及ばない大きさである事は、それはまた御仏の存在や働き(や慈悲)自体も、またその大きさの様に、人間では到底理解解釈出来ないものであるという事を示しているように思えます。

 スマホやインターネットを使えば自分の言葉を文字にして瞬時に相手に送る事が出来ます。
 様々な場所にカメラを設置すれば、遠く離れた幾つもの場所や過去の様子の様子を即見る事が出来ます。
 飛行機を使えば空だって飛べます。
 しかし、それは、地球の資源を使って(使わせてもらって)作った道具の能力にすぎません。
 人体の仕組みや宇宙の成り立ちなど、人間が解っていない事、人間自体では出来ない事など無数にあるのです。


 誰もが知ってる聖徳太子は日本の仏教の市民への普及の先駆け的存在です。

 その聖徳太子は「法華経」「維摩経」「勝鬘経(しょうまんぎょう)」という三つのお経のを注釈しています。「三経義疏(さんぎょうぎしょ)」というものです。
 その中で聖徳太子は「仏は形を超え、太虚をもって体として、全てに働きかけている」と言い残しています。

 この聖徳太子の言葉(考え)は、各仏教宗派の開祖である名僧である、法然(浄土宗)、親鸞(浄土真宗)、道元(曹洞宗)、日蓮(日蓮宗)の考えにも共通しています。

 法然などは「月かげの いたらぬさとはなけれども ながむる人の こころにぞすむ」という歌を残しています。訳は「月の光が照らさない所は無いが、それを見ようとする心が無ければ見る事が出来ない」すなわち、「仏の光や慈悲もどこにでもあるが、それを見ようとする感じようとする心が無ければ見る事も感じる事も出来ない」という事を言っているのです。


 「人間の能力に限界は無い」
 「生物の頂点」
 証明できないものは存在などしていない。

 えてして人間はそのような考えをもったり言葉を口にしたリするものですが、先に書いた人体の神秘や宇宙の成り立ち、”虫の知らせ”や偶然(と思える事)の重なりや”導きとも思える展開”など、人間が証明できない事等無数にあるものです。

 そして、不遇や不満、己の強烈な私欲からなる願望してその時だけ神仏に手を合わせ願う姿勢は、まさに”人間のおごり”と私は思えてなりません。


 「生かされている」という言葉を「自分の気付かない所で他の人に助けられて生かされている」と解釈している方も多く見受けられますが、この言葉の意味する所は人間同士間の繋がりだけを言っているのではないと私は思っています。


 おごらないという事は、謙虚にもつながります。
 謙虚な姿勢には人は好感を抱き助勢を買って出ようと思うものです。
 否定を抱く事は肯定するより至極簡単です。

 生かされている。与えられている。
 そう思えば「自分の、自分の」という執着や拘りも和らいでくるというものでしょう。


 ”おごり”は大概にし、いきがった恥ずかしい姿勢を持たずに、慎ましく生きていきたいものですね。


【追記】
 度々申し上げていますが私は無宗教無宗派です。決してスピリチュアルや宗教を推奨をしているのではありません。
 当然、現代に発足した宗教団体やスピリチュアル関連とは一切無関係で、私はそういったものは一切信じておりません(むしろ嫌いです)。
 誤解のないようお願い致します。

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