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Channel: 辰姫 ~石田三成の娘の生涯と軌跡~
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般若心経について その2

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 前回の記事「般若心経について その1」の続きです。


 般若心経の言っている内容は”空(変化しないものはない)の教え”です。
 ”執着せず、とらわれずに生きなさいね。そうすれば苦しみから解き放たれるんですよ”というのが般若心経のあの文章の言わんとしている事なんです。

 誰しも苦しいのは嫌なものです。それは生きている人間だけでなく、動物でも植物でも、あの世でも、意志を持つ存在なら同じ。

 その万物にとっての苦しみを救う手段(教え)を述べているのが般若心経です。

「苦しみから救う教え」という意味からなのでしょう。般若心経は多くの仏教宗派、そして世界で読まれ、日本では最もポピュラーなお経となっています。


 歴史上、著名な名僧たち。すなわち・・・
 玄奘(記事の「般若心経について その1」を参照ください)、空海(高野山の開祖)、一休宗純(昔のアニメのトンチの一休さんのモデルで実在の人物)、道元(曹洞宗の開祖)、また他の多くの名僧なども皆、般若心経を最重視しています。

 空海は「般若心経秘鍵」という、簡単に言えば般若心経の研究レポートを書き残し、その中で「般若心経は意味が分からなくても口にし読むだけでも必ず功徳がある」と言っています。
 もっとも、般若心経の読経は現代科学でも「読経は一定のリズムと発声の作用がおりなす効果か、脳内分泌物のセロトニン(免疫向上作用の物質)の分泌を向上させる」という事が証明されています。

 一休宗純は一般庶民達の為に誰もが理解できるよう般若心経の内容を噛み砕いた「般若心経解」という書を書き残しています。

 他の歴史上の僧たちも、当時、一般庶民が文字の読み書きができないのが当たり前の時代、その庶民たちが般若心経を覚えられるよう、文字をすべて絵にした「絵心経」というものを作り、庶民に教えています。


 そんな般若心経ですが、「南無阿弥陀仏」で有名な浄土真宗では用いられません。
 浄土真宗は”阿弥陀如来”に一心にすがる事こそ救われるという宗派です。なので自ら苦しみから解き放つための教えを解いている般若心経は根本思想が異なります。
 なので唯一、浄土真宗では般若心経は唱えていません。


 スピリチュアル系の効果はともかく・・・
 朝、一定のリズムで発声をし、それで免疫が向上するのであれば読経は決して無駄ではないでしょう。
 まして、それで本当に故人や御仏が聴き喜んだり安らいだり、自分自身に功徳が生じるのであれば、覚え唱えない方が損以外の何物でもないでしょう(損という発想自体、仏教や密教だけでなく様々な教えから外れたものですが)。

 本当かどうかはわかりませんが、事実、千年以上前から伝わっている話や書物には般若心経にまつわる出来事や話(霊験談)が数多く残っています。


 毎日の読経までする事はなくても、最低限生きていくうえで物質的に不自由を強いられる事がなくなった現代、それと反比例するがごとく気持ちや心が病む事や人が多くなった現代において、その苦しみの根本から救われるための教えの説かれている文章、すなわち般若心経の内容に覚えるまでいかなくても触れてみるだけでも、意味はあると私は思っています。


 般若心経については噛み砕いても、これでもまだ要点は書ききれていないので続きは後日また書こうと思います。

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